最近の映画メモ4本

「NO COUNTRY FOR OLD MAN」

邦題:ノーカントリー

公開になった頃アメリカの映画館で一回観たけど、ただでさえ字幕ないのに南部英語なのか訛りが強くてわからな過ぎて。ニュアンス不明のまま超バイオレンスムービーの後味悪さだけ残りモヤッとしたまま劇場を出た。しかしまさかこんな一般受けじゃない映画が日本の民放ロードショーでやるなんて。アカデミー賞 作品賞受賞映画だったのね。納得。

結果、字幕で見ても、モヤッとしたものが晴れるわけではないが。

メキシコとアメリカの国境近くギャングの麻薬取引と銃撃戦と、金と殺し屋と、、そんな恐ろしい話なんだけど、殺人鬼のハビエル・バルデムあのおかっぱ頭が気持ち悪くて脳裏から離れないのにキャラが立ちすぎててなぜか憎めない。そして単純にスリルにハラハラしながらも絶対悪と人間の滑稽さ、同時に映像の無音の間とテンポのかっこよさ、面白くて引き込まれる。コーエン兄弟。


「GREEN BOOK」

黒人差別が厳しい時代のアメリカ南部に、一概に肌の色だけで判断することが出来ない生い立ち、環境を持つ二人が一緒に旅するロードムービー。人種問題がテーマながらカラッと笑えるどたばたコメディ要素強くてすごく観やすい。こちらもアカデミー賞作品賞受賞の作品。後半のドクターの台詞と、ラストシーンが印象的。

人種について、って島国ニッポンで暮らしてるとなかなか想像しずらいんだけど、身近なところでも実は自分のルーツやアイデンティティに誤差を感じたり、強く自分のルーツを思いながら目の前の日常を生きる人が、無知なだけでどれだけいることか。それは国籍や人種のことだけではない、自分のアイデンティティの在り処や、生き方のことでもある。これだけ日本も多国籍になり、ナショナリティが多様化していれば当然ながら、でもそんな中で別人格である個々の人間同士の関わり、人の温かさとちょっとの勇気がそんな色んな壁を超えていけることを感じるやさしい映画。


「On the Basis of Sex」

邦題:ビリーブ 未来への大逆転

とにかく映画はさておき邦題のセンス。難しい、難しいのはわかるけど、でもちがう!そっちいっちゃダメ!原題と全然ちがうやん!この邦題みただけで、お!観てみよう!ってなる人より、観る気なくなる映画ファンの方がよっぽど多い気がするんだけど。。

こちらは性差別の問題。女性が社会に出て仕事をすることが簡単でなかった時代、ましてや妻であり母である。アメリカでは言わずと知れた今なお健在の弁護士、大学教授、そして最高裁判員に任命された実在の女性がアメリカを男女平等にすべく法律ごと変えるお話。

誰もが無理だろうと思う手強い権力を相手に、賢く聡明な女性が苦労しながらも最後には痛快に打ち負かす姿をみるのはなんと気持ちが良いことか。口で説明するのが大の苦手の私としては、女性弁護士ものを見るの大好き。全然違うけど、昔の海外ドラマ「アリーmy Love」が学生の時大好きだったな~~~


「The Color Purple」

カラーパープル。

NY時代の心の友に勧めてもらい一度観たが、ディスク後半から見始めてしまい途中で気付くもあまりの映画の強烈さに後戻りできず、そのまま最後まで見切ってしまって。映画の重さにそのときは燃焼しちゃってそのままDVD返却してしまった。。

この映画がなによりも衝撃で、胸にどしーんと重く残る。

観る人選ばずとかInstaに書いたけど、実際とても軽い気持ちでは観られない。

上の二本と同じく人種差別と性差別が大きなテーマなんだけど、現代社会の生活の中で不平等を感じるという話ではなく、そのど真ん中に貧困と共に生きる人たちの話。右にも左にも動けない、見ていてとても目を塞ぎたくなるやるせないそんな時代を強く強く生き抜いた女性を、映画デビュー作(!)のウーピー・ゴールドバーグやオプラなどすごい面々が描いてて、監督が若かりしスピルバーグ。

古い映画特有のインターミッションがある、長くてとてもつらいストーリーなんだけど、すごいパワー。黒人が根底に持つ奴隷時代からの感情は計り知れない。でもHIPHOPの源である怒り、ゴスペルの強い祈り、女性たちが結託し強くないと生きられなかった理由も、少し垣間見る感じることが出来るすごい映画。

Disk2の喪服に真っ赤なグローブのウーピーがすてき。

映画後半にかけて主人公の心模様と共に色が鮮やかになっていく様が目を見張る。原色をまとう黒人女性は本当に美しい。



4本とも観てよかった。

さよならカフェオレ

さよならカフェオレ -変わらないこと変わっていくこと-

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